comoco’s blog

ネガティヴな思い出を綴る場。楽しい話は基本的にありません。

中期中絶しました。その3

入院4日目の朝。

子宮口の開きは十分あるとわかり、薬を入れて陣痛を起こすことになりました。
 
私は第一子を予定帝王切開で産んでいるため、陣痛を知りません。
現在では一度でも帝王切開歴があれば、その後のお産も基本的にはすべて帝王切開になります。
自然分娩した友人と「痛いとは聞くけどちょっとその痛みを味わってみたかったな〜」「あんな痛いの、経験しなくていいならその方がいいよ〜」なんて談笑したこともあります。
それが、まさかこんな形で陣痛を経験することになろうとは…
 
 
結果的には、楽なお産だったのだと思います。
陣痛を起こす薬も、その効きには個人差があり、しっかりした陣痛が来るのに時間がかかる人もいればすぐ来る人もいます。
また、陣痛が来てから分娩に何時間もかかる人やすぐ分娩する人などいろいろだそうです。
(薬の効きは3時間程度なので、3時間毎に薬を入れて分娩を待つようになります)
私の場合は、痛いかと問われればかなり痛いと答えるほどですが、我を忘れて叫んだり耐えられないと思うほどの痛みではなく、下腹部と腰にやや強い鈍い痛みが短い周期で現れる、そんな感じでした。
痛みの質は違いますが、ラミナリアの入れ替えのほうがよっぽど痛かったです。
薬を入れてから1時間半ほどで出産に至りました。
その瞬間はあっけなく、特にいきむほどのものではありませんでした。
(その後胎盤を出すのに、何度かいきむ必要はありましたが。)
それほどまでに、小さい小さい赤ちゃんでした。
 
「頑張ったね」「大変でしたね」
と看護師さんたちが声をかけてくれました。
でも「おめでとうございます」はありません。
「堪えなくていいのよ」
ティッシュと共に渡された言葉に、ようやく涙を流すことができました。
 
 
その後、ひとりになった病室に主治医がいらしてくれました。
 
赤ちゃんは男の子でした。
浮腫以外は奇形もなく、綺麗な赤ちゃんです。
3日間よく頑張りましたね。
赤ちゃんもお母さんに負担をかけすぎることなく生まれてきてくれました。
胎盤も綺麗に出ています。追加の処置も今見る限りでは必要ありません。
お水も飲んで良いです。
食べたい物をご家族に持ってきてもらってください。
付き添いがあれば排泄もトイレで良いです。
シャワーも明日からは入れるからね。
診察は今日はもうありません。
熱が上がらなければ明日退院です。
もう無事に終わりましたからね。
 
それからずーっと泣いていたと思います。
この日は0時から絶飲食、発熱して喉が渇いて仕方ないのに嗽で紛らわすことしかできず、
入院期間中の排泄は病室のポータブルトイレで行い(感覚が似ているため万が一トイレで分娩に至るとその後の処置が困難)、
感染症のリスクからシャワー禁止の清拭のみ。
生活の基本的なことへの制限が一気に解除され、本当にこれで終わったのだと感じました。
 
 
夫が来てから、2人で赤ちゃんと面会しました。
本当に小さかったけど、顔も身体も正しく人間の形をしていました。
長男は私に似ていると皆口を揃えて言うけれど、この子は夫に似ていると思いました。
浮腫はエリマキトカゲのように付いていて大きな枕のようにも見えました。
確かに綺麗でした。
13cm・114g、棺ごと持っても驚くほど軽かったです。
この日は16週0日。
順調な経過だったならば、安定期に入るはずの日でした。